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社会不適合な「みならい脚本家」川崎雄斗の心理学的ライフハックブログ

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書評:諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉

記事を書いた人:Yuto あとで読む

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今朝、友達から「会社辞めたよー!」
と連絡が入った。

正直、辞められないと思っていたから
結構ビックリ(笑)

彼は、自分で選択ができたんだと思う。

一方で、辞めると言いながら
やめられない人は多い。

現状への不満をまき散らして、
それに満足して辞めない人。

僕はそんなある一人の友達に向けて
この記事を書こうと思った。

何かをやめることは逃げなのか?

何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近い。もっと若いころは「やめる」ことは「諦める」こと、「逃げる」ことだった。そのように定義するとどうしても自分を責めてしまう。

僕も仕事を辞める時に相当悩んだ。

「これは逃げなんじゃないか?」

そんな気持ちが出てくる。

思えば、僕が一番初めに
諦めたのはサッカーだ。

何年練習しても上手くならない。

それどころか、3年練習した自分から
サッカーを始めて1ヶ月の人が抜いていく。

そんな事があって、
子供ながらに僕は、

サッカーの才能がないことを知った。

そして、団体スポーツから
逃げるようにして入った卓球部。

あきらめるの本当の意味とは

「諦める」という言葉の語源は「明らめる」だという。  仏教では、真理や道理を明らかにしてよく見極めるという意味で使われ、むしろポジティブなイメージを持つ言葉だというのだ。

当時の感覚としては
「逃げ」だった。

でも、結果的に卓球部では
団体戦ではレギュラーとして
賞状を幾つもとれた。

悲願だった個人戦のメダルもとれた。

多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。  だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろう

だから、今思うと
自分の才能を明らかにして、
「選択」していた気がする。

諦めるとは、自分の才能を
知ることに他ならない。

諦めると「逃げ」の違いとは?

「私は自分のことを知ってる。
私は何もできないから...」

と、何もしないのが正解か
と言うとそうではない。

負ける戦いはしない代わりに、一番になる戦いはやめないということだ。「どうせ私はだめだから」と、勝負をする前から努力することまで放棄するのは、単なる「逃げ」である。

「逃げ」と「諦める」の違いは
「目的」にあると思う。

大事なのは、
「何のために」の思考。

何のために仕事をしているのか。
仕事をしてどうなりたいのか。

生きるため?

何のために生きるの?

何のために生きるのかを考えると、

・生きる意味なんてない。

・何かを成し遂げるため。

と、人によって目的は異なる。

目的のために、
手段は柔軟に変えていいけど、

目的を考えなかったり
手段を選ぶことまで放棄するのは
単なる「逃げ」。

成功しないのは努力しないからは「嘘」

就活とかでよく言われるこれ。

「ある分野で優秀な人間は、違う分野に行っても優秀なはずだ。裏を返せば、この分野でだめだったおまえが、違う分野に行ったってどうせだめなんだよ」  人間は、ある分野で能力が開花しなかったとしても、その分野の能力とは関係のない能力を備えていることもある。

でも、身体能力が違うように
思考能力や他の能力も違うはず。

だから、

「それじゃあ、できていない人はみんな、やっていないということなんですね?」  論理的に突っ込んでいくと、成功と努力の相関関係はどんどん曖昧になる。

なんでもかんでも「努力」
のせいにするとしんどい。

世の中には、自分の努力次第で手の届く範囲がある。その一方で、どんなに努力しても及ばない、手の届かない範囲がある。努力することで進める方向というのは、自分の能力に見合った方向なのだ。

僕も人間には
才能の限界はあると思う。

ただ、自分に才能があるかどうかは
100%の力を出してみないとわからない。

でも、これは嫌な仕事に
100%取り組むことじゃない。

そもそも、自分の才能が
100%活かせる分野は
好きで仕方ないことの中にあるはず。

残念ながら今のところ
人生は短いので、この分野を
どれだけ早く見つけられるかが大切なのでは。

手段を諦めたから成功した人

為末さんもそうだけど
ノーベル賞の山中さんも
諦めた人。

神戸大学医学部を卒業した山中さんは整形外科医になることを志し、国立大阪病院整形外科で研修医として働き始めた。ところが、ほかの研修医が二〇分で終わらせられるような簡単な手術に、二時間もかかった。指導医からは、邪魔者扱いされるほど下手だったという。「おまえは山中ではなく〝じゃまなか〟だ。手術は手伝わなくていい」とまで言われた。

為末さんは短距離を諦めて
ハードルにした結果、
銅メダルを獲れた。

山中さんは、
外科医を諦めた結果、
研究者として大成した。

二人に共通しているのは、
目的を諦めなかったこと。

・為末さんは「メダルを取る」目的

・山中さんは「人を助ける」目的

だから大切なのは、
自分の目的と能力を知ること。

もちろん、はじめっから
分かっている人はいないから
色々やってみるしかないわけだ。

やって、諦めて
やって、諦めて

それを繰り返して、
ようやく自分の目的と
手段が見つかるものだと思う。

辞めない理由はどっち?

何かを始める時には、
何かをやめないといけない。

もし、踏み切れないなら
あなたの理由はどっちだろう。

この場合、やめない理由は、大きく分けて二つある。
「好きなことだからやめない」
「今まで続けてきたからやめない」

もし、後者なら
とりあえずこの本を読むのがオススメ。

後者の人は完全に思考停止。

「仕事もしたいのにできていない」 「子育てにもきちんと取り組みたいのにできていない」  あれも、これも手に入れたいという発想の行き着く先は、つねに「できていない」「足りていない」という不満になってしまう。  現代は生き方、働き方にも多様な選択肢がある

このような状態になるのは、
思考停止して「自分で選ぶ」ことを
してこなかったから。

この本は、その状態に
陥っている人が読むべき本だと思う。

もし、心当たりがあって
何か変えたいと思っているなら
まずはこの本を読むことをお勧めする。

諦めるとは、選ぶこと。

始めは失敗するけど、 30代、40代になった時に、
選んできてよかったと思えるはず。