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書評|まんがでわかるサピエンス全史の読み方

記事を書いた人:Yuto あとで読む

サピエンス全史は、2017年最も注目を集めているといっても過言ではない本。

歴史書のような名前ですが、「人類のあり方、幸福」について書かれた、これからを生きるための指針になるような本といえます。

でも、本編が長すぎて「読みきる自信がない。。」という人は、まんがでわかるサピエンス全史の読み方を読んでから挑戦するのがおすすめです。

漫画版では、わかりやすく要点をまとめてあるので、こっちを読んでからサピエンス全史に本編に入れば理解しやすくなるかと。

ここでは、「まんがでわかるサピエンス全史の読み方」で特に印象に残った3つのポイントを紹介します。

ポイント1.人間はフィクションの中を生きている

まず、1章目から本書の核心に迫る内容が飛び込んできます。

現代はフィクションに溢れている
フィクションは、神話や宗教だけではない。国家や憲法、
法律や慣習(の意味)などは、すべてフィクションだ。

パッと流し読みすると、「は?よくわからん」となってしまいます。でも、確かにこれらはフィクション(虚構)です。

どれも現実には存在しない。その証拠に、人以外の動物は、
存在を感じることも知ることもできない。

例えば、会社やブランド品なんかもそう。それ自体は全く価値がないものですが、人間が意味付けをしたことで意味があるように思える「フィクション」なんです。

ポイント2.人類が発展したのは、頭が良かったから。ではない

人類を他の生物と比べるとき、「人類は賢い。だから発展できた」と言います。

今生きている私たちは「ホモ・サピエンス」。

そもそも、人類には私たち「ホモ・サピエンス」以外にも、ネアンダルタール人やホモ・エレクトスなどの種類が存在していました。

でも、ホモ・サピエンス以外は絶滅しています。つまり、「人類の脳が発達していたから生き残った」というわけではなさそうです。

では、ホモ・サピエンスだけが持っていた力とは何か、それこそフィクションです。

フィクションを操れるようになったことで、私たちは「想像したこと」を共有できるようになり、集団を形成できるようになりました。

例えば、神なんかもそうですね。少なくても、私は実際に見たことがないので、私にとって神は今のところフィクションです。

でも、会ったことも触ったこともない神について、私はあなたと同じように話すことができます。これができて初めて、「あっちに行ったら面白そうだね!」とか、ないものを共有するチームプレーができるわけですね。

ポイント3.世界三大フィクション「国・貨幣・宗教」

フィクションで、最も人類に影響を与えているのは、次の三つ・

・国
・貨幣
・宗教

例えば、国とは何か?と言われてもわかりません。憲法で定義されていますが、憲法は紙。私たちが信じて初めて国っぽいものができあがります。

学校やテレビでも「日本人」を強く意識させられる。日本国民と
いう区分はフィクションなのに、人々は自然と和を重んじ、他の日本人たちと協働するようになる。

貨幣もそうです。物々交換のときと違って、今の紙幣は1,000円の価値があると信じて初めて意味をなします。

原住民が住んでいるところに行って、「1,000円で果物を買わせて」と行っても意味ありませんよね。原住民には意味がないフィクションな訳です。

でもフィクションが足りない

ざっくりと、ポイントを解説しましたが、この本では「いかに私たちがフィクションに翻弄されているか」が書かれています。

実は、資本主義経済も「お金を使って経済が循環すれば幸せになれる!」というフィクション。

でも、先進国では豊かになったのに、幸せになっていないという現実があります。

それでは、これから幸せを掴むにはどのように生きていけば良いのか?

その指針を作る材料が本書には散りばめられています。個人的には、フィクションに振り回されない生き方が幸せなんじゃないかなと思ったり。

漫画なので、パパッと読めますし。本を読み慣れていない人でも、読んでおく価値はありますよ。