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社会不適合な「みならい脚本家」川崎雄斗の心理学的ライフハックブログ

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1分でわかる!自分のアタマで考えよう(書評)

記事を書いた人:Yuto あとで読む

「自分のアタマで考えよう」なんて言われても、普段から考えてるよ!

って、言いたくなりません?笑

でも、実は自分が考えていると思っていることの中には、「考え」ではなく「知識」が混じっています。

ちきりんさんの「自分のアタマで考えよう」は、考えるとは何か、どうすれば考えられるのかが書かれた本。

具体例があって、読みやすいのですがちょっと応用はしにくいかもしれません。そこでここでは、自分のアタマで考えようを読んでわかった、考える力を身につける方法を解説します。

Amazon Review:3.7(レビュー数144)
わかりやすさ  :★★★☆☆
専門性     :★★☆☆☆

読書ポイント

・知的な人がハマる知識の罠
・効果的に考える7つの方法
・頭のキレが抜群の人の「ズルイ考え方」

それぞれ、順番に見ていきましょう。

ポイント1.知的な人がハマる知識の罠

ちょっと、考えて見て欲しいのですが、日本野球の未来ってどうなると思いますか?

最近では、サッカーに人口が追いつかれましたよね。野球ファンはどんどん高齢化していっています。

考えがまとまったら、最初の罠については話します。実は、私たちが「考えた!」と思っていることの中には、ただの知識が混じっていることがあります。

世の中の事象には、なんであれよい面と悪い面があります。結論は各人が思うところをひとつ選ぶわけですが、情報を見て考えられることをすべて列挙せよといわれたら、よい面と悪い面の両方が出てくるのが、「知識にだまされていない純粋な思考」の結果です。

野球の例で言えば、暗い将来しか思い浮かばなかった人は、「野球は先がない」という誰かがテレビで話してた内容を思い出したに過ぎない可能性があります。

では自分で考えるとどうなるかというと、

「高齢者が多かったら、お金を持ってる。お金持ってる人が多かったらビジネスチャンスがある。行けるかも」

ってなるわけですね。

知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは、「未来に通用する論理の到達点」です。ちきりんは知識の重要性を否定しているわけではありません。知識と思考を異なるものとして認識しましょうと言っているのです

つまり、何かニュースなどを見たときに、頭の中に浮かんでいるのは、「知識」なのか「考え」なのかきっちり分けましょうということですね。

知識はちょっと横に置いておき、得た情報から新たに考えて初めて、今まで見えていなかった結論にたどり着けるのです。

とくに、自分の専門分野ほど知識が増えるので考えるのは難しくなります。

「詳しくなればなるほど、その分野での新しいアイデアに否定的になる」傾向が見られたら、「知識が思考を邪魔している」ことを疑ってみた方がよいでしょう。

これは、常に覚えておきたいですね。

では、「考える」とはどうゆうことなのでしょうか。

具体的に見ていきましょう。

ポイント2.効果的に考える7つの方法

実は、一口に考えるといっても考え方は色々あります。

なので、その状況に応じて「何を考えるのか」を意識するのが大切です。

本書では、考える方法として次の7つをあげています。

  1. 「なぜ、」「だから何?」と問う
  2. 決定プロセスを決めること
  3. あらゆる可能性を探る
  4. 縦と横で比較する
  5. 判断基準を取捨選択する
  6. 視覚化する
  7. 思考の棚を作る

ここでは、とくに大切で今日から実践できると思った考え方、「なぜ、だから何?」と問うことについて詳しく見ていきます。

数字を見たら考える2つの問い 情報を見たときにまず考えるべきことは、「なぜ?」と「だからなんなの?」のふたつです。

ニュースを見たときや新聞では、毎日何かのデータが解説されますよね。

そのときに、その解説を鵜呑みにしたらただの知識です。

そうではなくて、まずは「何故こうなったのか?」について考えて見ましょう。

「なぜ?」とは、数字の背景を探る問いです。数字はなにかの現象や活動の結果なので、すべての数字には理由があります。売上が伸びているなら「なぜ売上が伸びているのか?」、特定地域の人口が減ったなら「なぜこの地域の人口が減ったのか?」と考えるのが、「なぜ?」です。

これをすれば、絶対に解説されていない別の視点があることに気がつくはずです。

さらに、もう一段進むための方法が「だから何なの?」

もうひとつの「だからなんなの?」は、「過去の結果がこの数字に表われているのだとしたら、次はなにが起こるのか? それにたいして自分はどうすべきなのか?」と、データの先を考える問いです。

次に起こることを予想し、それに対応するためになにをすべきかを考える、これが「だからなんなの?」によって問われる思考です。

この2つをするだけでも、「何で今まで考えつかなかったんだろう?」と思うような出会いが生まれるはずです。

これができて初めて、考えたと言えます。

データを見たときには、その背景(=データの前段階)を考える「なぜ?」と、そのデータをどう解釈・判断し、対応すべきか、と一歩先(=データの後段階)を考える「だからなんなの?」のふたつの問いを常に頭に浮かべましょう。

今日からできるのでまずは、これから始めて見ましょう。

 ポイント3.頭のキレが抜群の人の「ズルイ考え方」

やったらと、頭の回転が早い人っていませんか?

私も友達に何人かいるのですが、「いいなぁ」と思っていたことがあります。

その人たちと、僕たちの違いはたった一つ。

「その情報が存在したなら、こういうことが言えるよね」と、すでに考えてあった結論を「思考の棚」から取り出してきているのです。 つまり、それは、彼らの「頭の回転の速さ」を示しているのではなく、「思考自体がすでに完了していた」ことを示しているのです。

そう、あらかじめ思考の枠を用意しているってことですね。

なにを見てもなにを聞いても「なぜそんなことを思いつくの?」という人の頭に入っているのは、大量の知識ではなく多数の「思考の棚」なのです。

例えば、今回出した野球の例って10年後〜20年後のサッカーにも当てはまりますよね。

      人口       未来
野球   高齢化     チャンスあり 
サッカー 高齢化すると・・  ?

サッカーも、数年後には高齢化が始まる可能性があります。

野球で考えた枠を整理しておけば、「高齢化したら、こうなる。。」とすぐに言える状態が出来上がっています。

頭の回転が早い人は、「この情報が入ったら、こう結論づけられる」と普段から整理できているということですね。

それでは、どうすれば思考の枠を増やせるのかというと。。。

言語で考えていたときには抜け落ちていた思考部分について(=抜け落ちていたことにさえ気がつかなかった部分について)、絵にするためには明確にする必要が出てくるからです。

野球とサッカーの例で言えば、スポーツは「?」と「?」の条件が揃ったら、こうなる!という枠をたくさん作るために、普段から図式化しておこうということですね。

図式化すると、思考の抜け漏れにも気付きやすくなります。

一番、大切なのは、考える時間をしっかり作ること。

考える力をつけるもっとも有効な方法は、このような視点で時間の使い方を把握し、自分が考えることに使っている時間を「見える化」して、それを少しでも長くすることです。 「考える力をつけたい!」と言いながら、本ばかり読んで情報収集に時間を使っていても、考える力はつきません

さて、こうゆうのってやらないのすぐ忘れちゃうので、今から適当にニュースを探して、自分の頭で考えて見てくださいね。

こんな人におすすめ

この本は、「自分でかんがろ!って言われても、どう考えたらいいのかわからないんだよ!!」と、心の中で叫んでいる人におすすめ。

足りないのは、考えるためのツールなので、ツールさえあればすぐに考えることができるようになります。

逆にそれをいつまでもサボっていると、考えられない自立できない人になってしまうので、ここは努力してでも身につけたほうがいいと思いますよー。